フクシマ板長
その中でも「タテガミ」は、馬刺しを愛好する人々にとって特別な存在感を放つ部位です。
しかし、その魅力や食べ方、栄養価について詳しく知る機会は意外と少ないものです。
そこで今回の記事では、馬刺しの中でも特に希少価値が高い「タテガミ」に焦点を当て、その特徴や食べ方、さらには栄養素やカロリーについても深掘りしていきます。
目次
馬刺しのたてがみとは
みんさんはたてがみと聞くとどういうイメージがありますか?
馬の首すじに生えている毛の部分をイメージする方も多いのではないでしょうか。
ですがさすがに毛は食べれません 笑
たてがみが生えている部分の中のお肉、それが【タテガミ】です。
文字通り馬の首部分にある皮下脂肪のことを指します。
この部位は体内脂肪とは異なり、独特の「コリコリ」とした食感と、口の中でとろけるような脂の旨味が特徴です。
馬一頭からわずか5kgほどしか取れない非常に希少で高級な部位であり、その珍しさから「コーネ脂」とも呼ばれます。
馬刺しのタテガミってどんな部位?
馬刺しと聞けば、ほとんどの人が思い浮かべるのは、美味しい赤身の部分ではないでしょうか。
この赤身が持つさっぱりとした味わいや、低カロリーで高タンパク、さらに低脂質などの特性は、脂肪が主体であるタテガミには当てはまりません。
タテガミはゼラチン質で固まった脂身です。
そのまま単品で食べるのも美味しいのですが、赤身の部位と一緒に口に入れるとより美味しく味わえます。
ただ、美味しいからと言って食べすぎは禁物です。
詳しくは後述しますが、タテガミはなかなかにハイカロリーだからです。楽しむ程度に召し上がっていただくのがベストです。
タテガミの別名について
タテガミは地方や店舗によってさまざまな呼び名で知られています。
熊本では一般に「タテガミ」と呼ばれることが多いですが、「こうね」「コウネ」「コーネ」といった名称も使われています。
これらの名称はいずれも同じ部位を指すもので、地域に根ざした呼称の違いが馬刺し文化の深さを物語っています。
タテガミはまずい?おいしい?
タテガミが主に脂肪分とゼラチン質で構成されているため、普通の肉の味を期待していると、味わいの違いに驚くかもしれません。
しかし、実際にはタテガミはその甘い脂肪とユニークな食感で、非常に美味しい部位です。
タテガミの特長としては、まずその強い旨味が挙げられます。脂肪に含まれる甘みと合わさり、上品な味わい深さがあります。
さらに、馬の脂肪は他の動物の脂肪と比べて融点が低いため、口に入れると体温で溶けてなめらかになります。
馬の脂は牛肉の脂に比べてしつこさがなく、後味がさっぱりしているため、クセがなく食べやすいという特長があります。
このように、タテガミは独特の食感と味わいを持っていますが、それらはまさにこの部位ならではの魅力。
初めての方も、この新しい食感と味わいを楽しむことで、馬肉の新たな面を発見できるかもしれません。
コラーゲンも豊富に含まれており、美容を意識する方にもおすすめの食材です。
タテガミのカロリーや栄養成分、効能
他の馬肉の脂肪部分と比較すると、タテガミは脂肪分が豊富であり、そのため比較的カロリーが高い部位と言えます。
しかし、この脂肪分がタテガミ独特の風味や食感を生み出し、多くのグルメ愛好家から高い評価を受けています。
タテガミに含まれる脂肪は、口の中でとろけるような質感を提供し、独特の甘みと旨味が特徴です。
また、タテガミは高品質のタンパク質や必須ミネラル、ビタミンB群などの栄養素も含んでいるため、栄養価が高いとも言われています。
タテガミに含まれている栄養素やカロリーを解説していきます。
タテガミは、赤身部分に沿って伸びる筋繊維から構成されています。
そのため高品質のタンパク質が豊富に含まれるため、筋肉の修復や成長に役立ちます。
- 鉄分
馬肉全般に豊富な鉄分は、特にタテガミに多く含まれています。鉄分は赤血球の生成に必要であり、貧血の予防にも効果的です。 - 亜鉛
亜鉛は、タテガミにも豊富に含まれる重要なミネラルです。免疫力を高め、酵素の活性化に寄与するため、健康維持に不可欠な栄養素と言えます。 - ビタミンB群
特にビタミンB12がタテガミには豊富です。ビタミンB12は神経系統の健康を保ち、血液の健康をサポートする重要なビタミンです。 - コレステロールとカロリー
タテガミには脂肪分も含まれており、そのためにコレステロール含有量に注意が必要です。タテガミは100gあたり約750カロリーという高カロリーであるため、ダイエット中のかたはほどほどの量にしておきましょう 笑
タテガミの美味しい食べ方
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- 生で楽しむ
タテガミは脂肪分が豊富で、コリコリとした食感が特徴です。冷凍の場合は解凍後、薄切りにして、馬刺し専用の醤油やポン酢でいただくと、口の中で脂がとろけ、独特の甘みと旨味を楽しむことができます。
にんにくや生姜、大葉などの薬味と合わせることで、さらに風味が増します。 - 軽く炙って食べる
タテガミの表面を軽く炙ることで、外は少し焼けた香ばしさを、内部ではとろけるような脂の甘みを同時に味わうことができます。
薄くスライスしたタテガミをサッと炙り、お好みのタレや塩、柚子胡椒でいただくのがおすすめです。 - サラダにトッピング
薄切りにしたタテガミを新鮮な野菜のサラダに加えることで、普段のサラダが一層豪華な一品に変わります。
タテガミの濃厚な味わいが、野菜のシャキシャキとした食感や味わいと絶妙にマッチします。 - 和え物やマリネに
タテガミを細かく切り、酢の物やマリネにすると、その独特の食感と味わいが新しい発見になります。
酢やオリーブオイル、ハーブなどと和えて、前菜やおつまみとして楽しむことができます。
赤身とセットで食べると美味しさ倍増!
たてがみはそのまま食べても美味しいですが、赤身の馬刺しと重ねて食べることで、その美味しさはさらに増します。
赤身のさっぱりとした味わいとたてがみの濃厚な旨味が絶妙に絡み合い、まるで大トロのような贅沢な味わいに。食卓が一気に華やかになり、馬刺しの新たな魅力を発見できるでしょう。
まとめ
タテガミは馬刺しの中でも特に希少な部位であり、その独特の食感と味わいは一度味わうと忘れられなくなるかもしれません。
タテガミの魅力は、ただの脂肪ではない、繊細で豊かな風味と口溶けの良さにあります。
脂肪分が豊富ながらも魚の脂に似たあっさりとした味わい、そして体温でとろけるような融点の低さが、他の肉類にはない独特の美味しさを生み出します。
タテガミのコリコリとした食感や脂の甘みをぜひ1度堪能してみてはいかがでしょうか?