馬刺しの産地はどこが有名?ランキングと産地ごとの特徴を紹介

フクシマ板長

馬刺しは低カロリーで栄養価が高く、健康志向の人々にも人気の食材です。スーパーや冷凍食品でも見かけることが増えており、食卓に馬刺しが並ぶ機会も増えています。しかし、馬刺しを購入する際、どの産地を選べば良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。

最近では輸入される馬肉も増えており、国産と言われている馬肉も海外で生まれた馬というケースもあります。今回は、日本国内の馬刺しの生産量・消費量ランキングや、国別輸入量ランキングのご紹介と、それぞれの産地の特徴をご紹介します。日本国内だけでなく、海外輸入の馬肉の特徴もご紹介します。

馬肉の生産量ランキングトップ10

国内での馬肉の生産量は、平成7年には8,433トンまで上昇しましたが、平成30年では3,850トンと年々減少傾向にあります。平成27年度の農林水産省の調査によると、昭和50年の馬肉の国内生産量は5,283トン、そこから3,000~5,000トンで推移しています。ここ数年間の生産量は5,000トン前後となっています。

しかし近年、ヘルシー志向の食事や冷凍技術・配送速度の進歩などで馬刺し人気は着実に高まってきています。

それではここからは、馬肉の生産量トップ10の県と、その特徴をご紹介します。

馬肉の生産量トップ10(2021年)
  1. 熊本県 1997.8t
  2. 福島県 858.9t
  3. 福岡県 518.8t
  4. 青森県 510t
  5. 山梨県 222.1t
  6. 山形県 119.9t
  7. 秋田県 97.5t
  8. 岐阜県 56.8t
  9. 高知県 52t
  10. 北海道 31.2t

出典:農林水産省「畜産物流通調査」
※馬肉の生産量のデータは2021年のものです

生産量はやはり熊本県がダントツの1位!地域で言うと、熊本県や福岡県の九州地方と福島県や青森県の東北地方での生産が盛んです。少し古いデータにはなってしまいますが、次は馬肉の消費量のランキングをご紹介します。

馬肉の消費ランキングトップ3

馬肉の消費量(購入額)トップ3(2015年)
  1. 熊本県 1,912円
  2. 北海道 1,842円
  3. 香川県 1,251円

全国平均は821円で、トップはやはり熊本県。生産量、消費量ともに1位でまさに馬刺し大国と言っても過言ではありません。
消費量の最下位は群馬県で、年間416円となっており、熊本県の4分の1以下になっています。

産地ごとの馬肉の特徴(国内)

それではここからは各産地ごとの馬肉の特徴をご紹介します。

熊本県の馬肉の特徴

熊本県で生産される馬肉は、「重種馬」と呼ばれる体重800kg~1トン以上に育つ馬が特徴です。これらの馬には特別な配合飼料が与えられ、大きく育てられます。
このため、サシ(霜降り)が入りやすく、牛肉のような美味しい霜降り肉となります。熊本県産の馬肉は、そのとろけるような柔らかさとジューシーな肉汁、濃厚な甘みが特徴で、馬刺しとして食べられる際には、生姜やにんにくなどの薬味と共に食べることが多いです。

なぜ熊本が馬刺し発祥の地となり、馬刺し大国になったのかは、以下の記事で解説をしています。ぜひこちらも合わせてご一読ください。

馬刺しはなぜ熊本が発祥なの?その歴史や特徴をご紹介

福島県の馬肉の特徴

馬肉生産量第2位の福島県は、全体の約18.9%を占めています。福島県の馬肉文化は、戊辰戦争の際に負傷者に馬肉を食べさせたことから始まりました。特に会津を中心に、この地域固有の食文化として根付いていきました。現在では、福島県は日本三大馬刺しの一つとして知られ、長い歴史を持つ馬肉文化を持っています。

福島県で主に飼育されるのは「軽種馬」と呼ばれる体重600kg前後の競走馬やサラブレットとしても有名な馬になります。
これらの馬から得られる肉は、サシが少なくあっさりとした赤身が特徴です。福島県では、馬刺しに辛味噌や醤油を合わせる食べ方が一般的で、あっさりとした馬肉に、こってりとした辛味噌がよく合います。

福岡県産の馬肉の特徴

福岡県は、馬肉生産量で第3位となっており、全体の約11.4%を占めています。一般的には馬肉と言えば熊本県のイメージが強いかもしれませんが、同じ九州の福岡県でも盛んに馬肉が生産されています。
福岡県の馬肉生産量は常に3位というわけではなく、青森県と順位を争うことが多いです。福岡では馬肉がふるさと納税の返礼品としても馬肉が用意されていることから、地域の特産品としての価値も高まっています。

大型馬の肥育をメインとする熊本とは異なり、福岡ではサラブレッドなどの中型馬を肥育する牧場が多くあります。中型馬は脂肪が少ない赤身肉が特徴で、低カロリー、高タンパクで知られる馬肉の中でも、よりヘルシー嗜好におすすめです。

青森県の馬肉の特徴

青森県では五戸町で特に馬肉文化が根付いています。五戸町では、やませ(偏東風)の影響で、夏は馬が涼しく快適に過ごせる地域で繁殖に適しており、そのため昔から農耕馬が育てられたり、馬の仲買をしていたり、身近に馬がいる環境でした。戦後の食料難のときから馬を食べることが徐々に浸透していき、現在の「五戸と言えば馬肉」という食文化が根付いたと言われています。

青森では馬刺しのみならず焼き肉や鍋、馬握りなど、さまざまな調理で馬肉を楽しむことができます。
特に特徴的なのが、鍋と焼き肉を一緒に楽しめる「義経鍋」。名前の由来は源義経が平泉(岩手県)に落ちのびる途中、鴨を捕らえて兜を鍋の代わりに使ったからなど説があります。頭の部分で水炊き、つばの部分で焼き肉ができるようになっています。

義経鍋
義経鍋

引用元:丸ごと青森

山梨県の馬肉の特徴

山梨県でも馬肉を使った独自の料理が親しまれています。山梨県の馬肉文化は、富士山の信仰登山が盛んだった時代に遡ります。かつて、富士山を目指す登山者の荷揚げ用に多くの馬が飼われていました。この背景から、馬肉も安価に手に入り、食する習慣が根付いたと言われています。

山梨県の郷土料理「吉田うどん」は、2007年に農林水産省が選定した「農山漁村の郷土料理百選」にもランクインしました。吉田うどんの魅力は、その独特な硬めの麺にあります。噛むほどに味が染み出る食感が特徴で、具材にはキャベツ、にんじん、油揚げ、そして甘辛く煮た肉が入ります。この肉に馬肉が使われていることが多く、山梨県が古くから馬肉文化を受け継いできた歴史を感じることができます。

吉田うどん

馬肉の輸入量ランキングトップ5

実は国内での馬肉の生産が減少傾向にあります。一方で馬肉のニーズは高まっており、その分は海外から輸入して需要をまかなっています。
少し古いデータにはなりますが、農林水産省発表のデータによると、平成26年の輸入量は4,478トンで、年々輸入の馬肉の比率は高くなっている傾向にあります。 2014年時点での、馬肉の輸入量トップ5は以下の通りです。

馬肉の輸入量トップ5(2014年)
  1. カナダ 2762t
  2. メキシコ 735t
  3. ポーランド 405t
  4. アルゼンチン 348t
  5. ブラジル 136t

出典:農林水産省
※馬肉の輸入量のデータは2014年のものです

産地ごとの馬肉の特徴(海外)

同じ日本国内でも地域によって、馬の種類や馬肉の食べ方に違いがあることをご紹介してきました。海外の馬肉はどんな違いがあるのでしょうか?その特徴をご紹介します。

カナダ産の馬肉

カナダ産の馬肉は、日本の馬肉市場でも重要な役割を果たしています。実は熊本生まれで熊本育ちの馬は年間200頭ほどしかいません。この不足を補うために、カナダからある程度飼育された馬を飛行機で熊本県に空輸し、熊本県内でさらに長期間飼育されることが一般的です。

そこから熊本県内で繁殖された地よりも長い期間飼育した場合は、熊本県産の馬肉として販売することができます。

熊本県では、徹底された管理の下、質の良い飼料や水を与えることで、カナダ生まれの馬肉も熊本生まれの馬肉と同様、脂の乗りと甘みが特徴で、日本の馬刺しと比較しても遜色がなく、高品質で提供されていることが特徴です。

メキシコ産の馬肉

メキシコ産の馬肉は、牛肉の価格高騰に伴う安価な馬肉の需要拡大により、近年日本への輸出量が増加しています。メキシコでは、馬の解体処理業者が増え、その影響で輸出量も多くなっています。

メキシコ産の馬肉は、アメリカの政府機関であるFDA(食品医薬品局)の厳しい衛生基準をクリアしています。これに加え、輸出の際には健康証明書が発行されるため、品質管理が徹底されています。メキシコ産の馬肉は国産と遜色のない管理体制のもとで生産されています。

ポーランド産の馬肉

ポーランド産の馬肉は、ゆっくり時間をかけて飼育していることが特徴です。この丁寧な飼育方法により、ポーランド産の馬肉は非常に濃い味わいを持っています。また、食感が非常に良く、噛むほどに旨味が広がるのが魅力です。

ポーランドでは、広大な牧草地で馬たちがのびのびと育てられ、自然の中で健康的に成長します。これにより、肉質が非常に良く、栄養価も高い馬肉が生産されています。ポーランド産の馬肉は、その濃厚な味わいと絶妙な食感で、多くの馬肉愛好者に愛されています。

まとめ

今回は馬刺しの産地とそれぞれの特徴についてランキング形式を交えて解説をしました。それぞれの地域に味や食べ方に特色があり、どの地域もそれぞれが違った魅力があります。そんな地域ごとの違いも味わいながら、馬刺しの魅力をどんどん掘り下げていっていただけると幸いです。

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