フクシマ板長
今回は馬肉の豊富な鉄分に着目し、他の肉類と比較した鉄分の量やその健康効果、鉄分不足の対処法や鉄分の摂取方法についても解説いたします。さらには鉄分の吸収を助ける食べ合わせについて詳しく解説します。
目次
馬刺しに含まれる鉄分の量
馬刺しには、他のお肉に比べて非常に多くの鉄分が含まれています。以下、鉄分含有量の比較表になります。
馬肉 | 4.3 mg |
牛肉(肩ロース 赤肉) | 2.4 mg |
牛肉(ばら) | 1.4 mg |
豚肉(肩ロース 赤肉) | 1.1 mg |
豚肉(ばら) | 0.6 mg |
鶏むね | 0.3 mg |
鶏もも | 0.9 mg |
100gあたりの鉄分含有量は約4.3mgであり、他のお肉と比べても鉄分が多いことがわかります。馬刺しの赤身部分には特に鉄分が豊富に含まれており、貧血予防に非常に効果的です。
また、馬刺しの部位によっても鉄分の含有量が異なります。例えば、ヒレやロースなどの部位には特に多くの鉄分が含まれています。
鉄分が不足することのデメリット
鉄分が不足すると、体にさまざまな悪影響が生じます。以下は、鉄分不足による主なデメリットです。
- 鉄欠乏性貧血
鉄分不足の最も一般的な結果は鉄欠乏性貧血です。鉄分は赤血球の中のヘモグロビンの重要な構成要素であり、酸素を体中に運ぶ役割を果たします。鉄分が不足すると、ヘモグロビンの生成が妨げられ、酸素運搬能力が低下します。その結果、息切れ、疲労感、めまい、頭痛、冷え性などの症状が現れます。 - エネルギーレベルの低下
鉄分はエネルギー代謝に重要な役割を果たしており、不足すると体のエネルギーレベルが低下します。鉄分が不足すると、体は効率的にエネルギーを生成できなくなり、慢性的な疲労感や倦怠感を感じることが多くなります。これにより、日常生活や仕事のパフォーマンスが低下することがあります。 - 免疫機能の低下
鉄分は免疫細胞の生成と機能に不可欠です。鉄分が不足すると、免疫機能が低下し、風邪や感染症にかかりやすくなります。また、傷の治りが遅くなることもあります。特に、子供や高齢者は鉄分不足による免疫機能低下の影響を受けやすいため、注意が必要です。 - 集中力と認知機能の低下
鉄分は脳の発達と機能にも重要です。鉄分が不足すると、集中力や記憶力が低下することがあります。特に、成長期の子供や若者においては、鉄分不足が学習能力や学業成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 - 妊娠中の貧血
妊娠中の女性は、通常よりも多くの鉄分を必要とします。特に赤ちゃんが大きくなる妊娠中期・後期は、循環する血液量も増えるため、一般女性の2倍もの鉄分が必要となり、貧血になりやすくなります。
鉄分の健康効果
鉄分は私たちの体にとって不可欠なミネラルであり、多くの健康効果をもたらします。以下では、鉄分が体にもたらす主な健康効果について詳しく解説します。
- 貧血予防
鉄分はヘモグロビンの主要な構成要素であり、酸素を体中に運ぶ役割を果たします。鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血が発生し、疲労感、息切れ、めまいなどの症状が現れます。馬刺しを摂取することで、鉄分を効果的に補給し、貧血を予防することができます。 - エネルギーと疲労回復
鉄分はエネルギー代謝に重要な役割を果たします。鉄分が不足すると、体はエネルギーを効率的に生成できなくなり、慢性的な疲労感や倦怠感を感じることが多くなります。適切な鉄分摂取は、エネルギーレベルを維持し、日常生活での疲労回復を助けます。 - 免疫力の向上
鉄分は免疫細胞の生成と機能に必要不可欠です。十分な鉄分を摂取することで、免疫力が向上し、風邪や感染症に対する抵抗力が強くなります。鉄分が豊富な馬刺しを食べることで、体の防御機能を強化することが期待できます。 - 認知機能の向上
鉄分は脳の発達と機能においても重要です。鉄分が不足すると、集中力や記憶力が低下することがあります。特に、成長期の子供や若者においては、鉄分が十分に摂取されることが、学習能力や学業成績に大きく影響します。馬刺しを取り入れることで、認知機能の向上に役立てることができます。 - 美肌効果
鉄分はコラーゲン生成にも関与しています。コラーゲンは肌の弾力性やハリを保つために重要なタンパク質です。鉄分が不足すると、コラーゲン生成が妨げられ、肌の弾力が失われ、しわやたるみが目立つようになります。適切な鉄分を摂取することで、コラーゲン生成が促進され、若々しい肌を維持することができます。
鉄分の種類について「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」
鉄分を効率よく摂取するためには、吸収率の高い「ヘム鉄」を摂ることがポイントです。鉄分は、食品中に含まれる形態によって、主にヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分類されます。
ヘム鉄
ヘム鉄は動物の血液や筋肉に含まれており、肉や魚などの動物性食品に多く含まれています。ヘム鉄は体に吸収されやすく、他の食品と一緒に摂取しても吸収率が下がらないのが特徴です。吸収率が高いため、効率的に鉄分を補給することができます。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は野菜や穀類、豆類、海藻類などの植物性食品に含まれています。非ヘム鉄はヘム鉄と比較すると吸収率が低く、吸収を妨げる成分の影響を受けやすいです。しかし、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂取することで、非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。
ヘム鉄と非ヘム鉄が多く含まれる食材
ヘム鉄の吸収率は非ヘム鉄の2~3倍と言われています。したがって、ヘム鉄を多く含む食品を意識的に摂取することで、より効率的に鉄分を補給することができます。
ヘム鉄と非ヘム鉄を多く含む食品をそれぞれご紹介します。
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- レバー(馬、牛、豚、鶏)
- いわし
- かつお
- まぐろ
- さんま
- 赤貝
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- ほうれん草
- 小松菜
- とうもろこし
- 大豆
- ひじき
- 青のり
効率的な鉄分摂取方法
食事から十分な鉄分を摂取することが難しい場合は、サプリメントや栄養補助食品を利用するのも一つの方法です。ただし、用法・用量を守り、過剰摂取には注意が必要です。
また、調理器具を鉄製の鍋やフライパン、やかんなどに変えることで、調理の際に器具から溶け出した鉄分を吸収することもできます。これにより、自然に鉄分を摂取することが可能です。
ヘム鉄を上手に利用し、非ヘム鉄の吸収率を高める工夫をすることで、効率よく鉄分を摂取しましょう。
鉄分の吸収を助ける食べ合わせ
鉄分を効率よく摂取するためには、食べ合わせが重要です。特に非ヘム鉄は吸収が難しいため、吸収を助ける食材と一緒に摂取することで効果的に鉄分を補給することができます。
中でも、ビタミンCは鉄分の吸収を大幅に高める効果があります。ビタミンCは、非ヘム鉄の吸収を助ける働きがあり、一緒に摂取することで吸収率を高めることができます。以下のようなビタミンCを多く含む食材を取り入れましょう。
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- レモン
- オレンジ
- とグレープフルーツ
- キウイ
- ピーマン
- ブロッコリー
- トマト
まとめ
今回は馬刺しに含まれる栄養素の中でも、鉄分に焦点を当てて解説をいたしました。馬刺しには豊富な鉄分が含まれており、貧血予防やエネルギー代謝の向上、免疫力の強化など、多くの健康メリットがあります。適切な食べ合わせや摂取量を守りながら、健康的な食生活に馬刺しを取り入れることで、その効果を最大限に享受しましょう。