フクシマ板長
しかし、子供に馬刺しを食べさせても危険ではないのでしょうか?馬刺しは生肉であるため、特に子供に与える際には注意が必要です。
では、何歳からなら馬刺しを食べても大丈夫なのでしょうか?
今回は、そんな疑問にお答えするために、馬刺しに関する基本情報、栄養素、子供が食べられる年齢、そして食べさせる際の注意点について解説します。
目次
馬刺しの食中毒のリスク
まずは馬刺しに食中毒のリスクがあるのかどうか、という点は気になる方も多いと思います。
結論から言うと、馬刺しの食中毒のリスクはかなり低く、安全な食材です。
ただもちろん100%絶対安全、というわけではなく、農林水産省のHPによると、馬肉にはザルコシスティス属の「ザルコシスティス・フェアリー」という寄生虫が寄生していることがわかっています。
このザルコシスティス・フェアリーは、ウマを中間宿主、犬を終宿主とする生活環をもつ寄生虫で、ウマでは筋肉に寄生しますが、人に寄生して体内で発育することはないことが様々な調査で分かっています。
感染した場合の症状としては、次のようなものがあります。
- 下痢
- 吐き気、嘔吐
- 腹痛
現時点では、どのくらいの量を食べるとこれらの症状を示すかは明らかになっていないようです。
また、これらの症状は軽度であり、通常は速やかに回復します。感染した人から他の人へ感染することもありません。
馬肉は高い衛生基準をクリアしている
馬肉は生で食べても安全とされていますが、それは適切な処理がされ、衛生的に管理された肉に限ります。どんな馬肉でも安心して生で食べられるわけではありません。
生の状態の肉は時間が経つと腐敗する恐れがあり、また、当初は肉に含まれていなかった細菌が他の食材や調理器具、人の手から移ってしまうこともあります。
このような二次感染による食中毒を防ぐために、食肉加工場や飲食店では、「生食用食肉の衛生基準」という厚生労働省が設ける罰則も伴う厳しい規制に基づき、衛生管理に万全を期しています。
生で食べることが許される馬肉には明確な基準があります。これは、大腸菌群やサルモネラ菌群など、特定の細菌が検出されないことを確認する検査に合格していることを意味します。この厳しい基準をクリアした馬肉は、清潔な状態で専用の調理器具を用いて、肉の表面をトリミングします。
トリミングは、肉の表面を削ぎ取る作業で、この過程で細菌の新たな付着や繁殖を防ぐために、肉の温度を10度以下に保つことが重要です。
また、調理器具は使用する度に熱湯で消毒することが義務付けられており、手指の消毒にも消毒剤の使用が求められます。
このような徹底した衛生管理を行うことで、馬肉を安全に生で楽しむことが可能となっています。
馬刺は何歳から食べれる?
馬刺しは安全であることは解説しましたが、生もののため、免疫が大人に比べると低い子供に食べさせても大丈夫なのか心配な方も多いかと思います。
子どもが馬刺しをいつから食べれるか、適切な時期については明確な答えはありません。しかし、いくつか基準となるポイントはあります。
考え方は一般的な生ものと同じ
馬刺しに限らず、刺身やお寿司といった、他の生の食材を取り扱う際の考え方は同じです。子どもの成長段階や消化器官の発達に合わせて食べさせることが基本となります。
一般的には、3歳頃から少量を試しに与えてみても良いとされています。最初は小さな量から始め、子どもの反応を慎重に観察することが重要です。
とはいえ、3歳以降もまだまだ免疫が低いので与える際には十分に気を付けましょう。
心配な場合は食中毒への抵抗力がつく中学生頃から
馬刺しは食中毒のリスクが比較的低いとはいえ、全くリスクがないわけではありません。子どもが食中毒に対して十分な抵抗力を持つようになるのは、12〜3歳頃、つまり中学生になってからと言われています。
この年齢まで待つことは「念には念を押す」という意味合いが強くなりますが、特に心配性の親御さんであれば、この時期まで待ってから馬刺しを食べさせることを検討するのも一つの方法です。
子どもが「食べたい」と感じる場合
子供は好奇心が旺盛なため、親や親戚の食事で馬刺しが出された際に、興味を示して食べたがる場合もあるかと思います。そんな時は、以下の3点に注意しましょう。
- 初めて食べるときはまず一口ずつ、体調がいい時に挑戦する。
- 新鮮なものを与える。
- なるべくすぐ病院に行ける時間帯にする。
馬刺しを加熱して食べるのもアリ
どうしても生ものを子供に食べさせるのが気になる場合には、加熱してしまうのも1つの選択肢です。
馬刺しは加熱しても様々な美味しさを楽しむことができます。
きちんと処理された馬肉はクセの無い味で、鉄板で焼いても、煮ても、刺身でも様々な調理方法で美味しく召し上がっていただけます。
馬刺しを焼いて食べたい方必見!焼く際のポイントをご紹介!馬刺しの豊富な栄養素と子供にとっての5つメリット
上記で解説した点を注意していただければ、馬刺しは美味しくて栄養も高い優れた食材で、子供の健康と成長にも多くのメリットがあります。
子供が馬刺しを食べることで得られる具体的な5つのメリットを解説します。
高タンパクで成長をサポート
馬刺しは高タンパクの食材のため、子供の身体的発達に必要な筋肉をつけることができます。タンパク質は体の各組織の構築に不可欠であり、成長期の子供には特に重要な栄養素です。
低カロリーで健康的な体重維持
低カロリーながら栄養価が高い馬刺しは、子供の健康的な体重管理に役立ちます。肥満を予防しつつ、必要な栄養を摂取できるため、バランスの取れた食生活に貢献します。
貧血予防に役立つ鉄分
鉄分が豊富に含まれる馬刺しは、子供の貧血予防に非常に有効です。鉄は赤血球の生成を助け、酸素の運搬能力を高めるため、学業や運動における集中力や持久力の向上に貢献します。
免疫力の維持に貢献するビタミン
馬刺しに含まれるビタミンAやビタミンEは、子供の皮膚や粘膜を健康に保ちます。また、これらのビタミンは免疫システムの強化にも寄与し、子供を病気から守る働きがあります。
強い骨と歯を作るカルシウム
馬刺しはカルシウムも含まれており、子供の骨や歯の成長と健康を支えます。カルシウムは骨の密度を高め、丈夫な骨格を作るのに必要なミネラルであり、成長期の子供にとって欠かせない栄養素です。
まとめ
馬刺しは、3歳以降の子供であれば食べることができますが、食中毒に対する抵抗力が十分に備わる12歳以降がより安全です。馬肉は栄養価が高くおすすめの食材ですが、生肉を扱う際には衛生面での注意が必要であり、子供が安全に食べられるよう配慮することが大切です。安全に配慮しながらゆっくりと子供に馬刺しの良さを味わってもらえたら何よりです。