冷凍馬刺しの正しい食べ方をプロの板前が解説!

フクシマ板長

生食できる肉として人気の高い馬刺し。

かつて馬刺しは、九州・東北・信州など旅先で食べるご当地名物や専門店料理でしたが、輸入馬肉の供給量が増えたことや、インターネット通販が身近なものとなり、ご家庭でも気軽に楽しめるようになってきました。

そんな身近になった馬刺し。今回はプロの板前が自宅で冷凍馬刺しを美味しく食べる方法をご紹介します。

ブロック馬刺しとスライス馬刺し

ネット通販で販売されている馬刺しには、主に「ブロック馬刺し」と「スライス馬刺し」の2つがあります。
「ブロック馬刺し」はブロック単位で販売されている馬刺しで、購入後、解凍だけでなくカットを自分で行う必要があります。
一方、「スライス馬刺し」は、カット済みの馬刺しとなっており、解凍をするだけですぐ食べることができるという点が特徴です。

ブロック馬刺し
ブロック馬刺し

スライス馬刺し 上赤身
スライス馬刺し

冷凍馬刺しの食べ方とは?

冷凍馬刺しを自宅で楽しむ際、少しのコツと注意点を抑えるだけで、専門店顔負けの美味しさを引き出すことができます。
ここでは、プロの板前直伝の冷凍馬刺しの解凍から食べ方までのステップを、ブロック馬刺しとスライス馬刺しのそれぞれを詳しくご紹介します。

ブロック馬刺しの美味しい食べ方

解凍する

冷凍された馬肉を美味しく食べるためには、まずそのままの真空パック状態で馬肉を解凍することから始まります。
おすすめは氷水での解凍。真空パックされた馬肉を氷水の中に約10分間浸します。
ただし、季節によって解凍時間に若干の調整が必要になることもありますが、目安としては10分程度が適切です。

完全に解凍するのではなく、馬肉の中心部にわずかに芯が残る半解凍状態を目指すことが理想的!この状態にすることで、カットがしやすくなるだけでなく、食感も最適なものになります。

正しいカット方法

厚めにカットすれば、馬肉の旨みを存分に味わうことができます。一方で、薄めにカットすれば薬味を巻いて合わせて食べやすく、あっさりと食べることが可能です。

そのため、馬刺し初心者の方にはまず薄めにカットをすることがおすすめ。薄めのカットに慣れた後、厚めのカットに挑戦していただくと馬肉本来の豊かな旨みをしっかりと感じられるかと思います。

薄めにスライスする場合、繊維に対して上から垂直に2~3mm厚さでスライスします。

半解凍状態でカットをすることで、食べる頃には完璧な解凍状態になり、美しいピンク色の馬刺しが完成します。

馬刺しは生食ですので、清潔なまな板と包丁を使いましょう。

ブロック馬刺しを切っているところ

盛り付け

最後に盛り付けをして完成です。
スライス玉ねぎや大葉といった薬味を添えたり、盛り付ける際に高低差をだしてあげたりすることで、見た目がよりキレイになり、馬刺しをより一層美味しく楽しむことができます。

盛り付けのポイントは以下の記事で詳しく解説しています。

馬刺しのキレイな盛り付け方- プロの板前が伝授

スライス馬刺しの美味しい食べ方

食べるまで約5分!次はスライス馬刺しの美味しい食べ方をご紹介します。

それは、2〜3分解凍して盛り付ける。以上です 笑

さすがにこれでは味気なさすぎるため、もう少し具体的に解説します。

STEP.1
解凍する
ボウルに入れた馬刺しを、流水で約3分間解凍します。

レバ刺し、ハツ、バラひもなど、お肉が重なり合っている商品は、5分程度の解凍時間をお勧めします。

STEP.2
袋から取り出す
解凍したら、袋から馬刺しを取り出します。
STEP.3
お皿に並べる
取り出した馬刺しをお皿にきれいに並べます。
STEP.4
トッピングを加える
お好みで、甘口醤油や玉ねぎのスライス、おろしニンニク、おろしショウガ等を添えてください。

たった5分で、本格的な馬刺しをご自宅で簡単にお楽しみいただけます。
スライス済みなので、解凍と盛り付けだけで、専門店の味わいを再現できます。お好みの薬味を加えることで、さらに美味しさが引き立ちます。

ショート動画でも解説をしておりますので、よろしければこちらもぜひご視聴ください。

スライス馬刺しの美味しい食べ方を動画で解説

馬刺しのキレイな盛り付け方- プロの板前が伝授

解凍の際のNGポイント

冷凍馬刺しの美味しい食べ方についてご紹介をしてきましたが、解凍の際に注意すべきやってはいけないNGポイントもあります。
解凍方法を誤ると、馬肉本来の旨みや栄養が損なわれることがあります。解凍時に避けるべきNGポイントを3点ご紹介します。

フクシマ板長

解凍の際のNGポイント
1. 電子レンジでの解凍
電子レンジを使った解凍は、馬肉の旨みや水分が失われやすくなります。旨味や脂がドリップしてしまい、大幅な食感や味の悪化や、食品安全衛生面でのリスクが高まります

2. 常温での解凍
常温で解凍すると、外側は過度に温まりながらも内部は凍っている状態が続くため、細菌が繁殖しやすくなります。これは食中毒のリスクを高めるだけでなく、馬肉の鮮度を損ね、風味や食感を大きく低下させる原因となります。

3. 再冷凍をする
一度解凍した馬刺しを再び冷凍することは、細菌の増殖や肉質の損傷を招きます。再冷凍により、肉の旨みが失われるだけでなく、食品安全性の観点からも推奨されません。また、解凍と再冷凍の繰り返しは、肉の細胞を破壊し、食感が大きく損なわれることにもなります。

1度解凍したら食べ切りましょう

解凍した馬刺しは、鮮度が最も高い状態で消費することが望ましいです。そのため、解凍した分はなるべくその場で食べきり、余った場合には加熱調理に切り替えることをお勧めします。
時間が経過し空気に触れて表面が変色した馬刺しは、生で食べるのではなく、安全に楽しむためにも加熱してからいただくようにしましょう。

まとめ

冷凍馬刺しを家庭で楽しむ際には、正しい解凍や切り方を行うことがポイントとなります。
この記事を通して、冷凍馬刺しの正しい食べ方を学ぶことで、ご家庭でも専門店のような本格的な馬刺しを存分に堪能できるでしょう。
付け合わせや調味料も好みに合わせて食べることができるので、馬刺しの新たな魅力を発見することもできます。ぜひ自宅で美味しい馬刺しを楽しんでみてください。

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